日々の生活の中で、ふと聞こえる心のつぶやき日記


by keiyou-ai
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NHK教育「日本を歩く」

昨日、NHK教育で「日本を歩く」と言うタイトルの番組をみた。

学生時代に民俗学の講議を受けた宮本常一先生のドキュメンタリー。
もう、亡くなられてから26年も経つそうだけど、当時、授業中に質問をした時の先生のまなざしが忘れられない…。

何を話したのかはよく覚えていないけれど、穏やかながら何とも言えない強いまなざしだった事を覚えている。今年生誕100周年を迎え、昨年あたりから改めていろいろな本が出版されている。私も、偶然立ち寄った本屋で著作を見つけ、懐かしさもあり買い求めた。 その本は、先生の生い立ちから民俗学者としての歩み、思想、晩年の様子までを紹介した本である。全国津々浦々を実際に足で歩き、名も無い大衆の生活を詳細な取材記録として遺された足跡を、レポートやエッセイの一部を紹介しながらまとめ上げられている。読後、あのまなざしの奥に潜んでいたものを、ほんの少し垣間見る事ができたような気がした。

テレビでは、ちょうど授業を受けていた頃の映像が流れ、ああ、あの「まなざし」だって…。当時の様子が、鮮明に記憶の中から浮かび上がって来た。
また、当時新潟の山古志村の村起こしに関わっていらっしゃった事を、この番組で初めて知った。地震から2年、山古志村では少しづつ復興が始まったが、復興に際しいろいろな模索が行なわれているようである。当時宮本先生の指導で村起こしに関わった方々の活動も紹介されていた。復興のひとつの試みとして、当時の関係者の方々が中心となり、NPOという形で復活されると聞き、現状の厳しさを乗り越え一歩を踏み出された事に、こちらも大きな勇気をもらう…。

宮本先生の「観光は、まず住んでいる住民が自分達の地域や文化を誇りにして、こんなに良い所だから、皆さん見に来て下さい。」と言える事だというのを聞いて、なるほどなあと…。そこに住む住民が自らの力で産業や文化を築き上げていく事が誇りになる…。 地域の活性化には長い時間がかかるし、その事が今後報われるかどうかも分からない…。ますます急激に変化して行く時代に、地域で自らの生活と地域文化を地道に築き上げて行く壮絶な取り組み…。1時代を担い年老いた方達の横顔を見ながら、それでもなお、自分達の地域をもう一度復活させようと立ち上がられた事に、強く心を動かされた…。
宮本先生のあの穏やかでありながら深く見通すようなまなざしは、名も無い大衆1人1人の生き方を真摯に尊厳を持って見つめる…、そのようなまなざしではなかったかと…。そんな気持がふと沸き上がって来た。

長年をかけて、庶民の生活に真摯に向かい合い、詳細な調査と記録を為さった宮本先生は、本当に凄い方だったんだなあ…と。授業を受けたのは、ほんの1年程だったけれど、地域活性化のスタッフとして関わって来たここ数年の思いに重なり、あのまなざしの意味を改めて考えさせられたように思う。
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by keiyou-ai | 2007-02-04 08:50 | 風の歌日記