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日々の生活の中で、ふと聞こえる心のつぶやき日記


by keiyou-ai
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3月23日STB

3月23日「STB」米良美一コンサート

春雨という余韻のある降り方ではないざあざあ降りの中、本社から直行で六本木STBへ駆け付けました。会場はなかなか盛況で満席状態。友人が席をキープしてくれて、良い席に座る事が出来ました。ジントニックを頼んでまずは一杯…。(たまに不良ママしてます。爆)

ライブは、ピアノの塩入さんとベースの方が登場し、もののけ姫のアレンジ曲でスタートです。上手より米良さん登場…。白っぽいブラウスシャツに黒い鳥の羽の長いショール?(美輪さんが良く舞台で使っていらっしゃるようなのです)を肩にかけています。
まずは、アラバマ・ソングから…。「ママが死んでしまったの…。」かなり沈んだ哀しげな朗読が、テープで流れます。ハクジュホールの時とは、また違っていたみたいです。次はスラバヤ・ジョニ− 16才の少女が恋する男はひどい男ジョニ−。捧げ尽して捨てられて、それでも好きなの…と。次はけだるいような曲調の「二十世紀のブルース」憂鬱な時代20世紀…と歌います。盛り場の喧噪と倦怠感、そういう世界にも純粋な女心があるのでしょう…。その悲しくも切ない想いが伝わって来る様でした。
そして、前半の山場は、「お定のモリタート」かなりきわどい内容ですが、回を重ねるごとにますます凄みが増して行く様です。文楽の「女殺し油地獄」のような凄絶な場面が連想されます。かなりホラー的ムードかも…。以前、ホラーものの映画の主題歌も歌っていらしたようなので(死国、牡丹灯籠)結構お好きなジャンルなのかもです。
最近、大仕掛けの招聘オペラだけでなく、ホールオペラや独り芝居のようなコンサートオペラが増えて来ているように思います。このようなライブハウスや小ホールでも楽しめる演劇性を持ったコンサート、新しい試みでとても興味を持ちました。

さて後半は、「バラ色の人生」「恋心」一転して小粋なシャンソンで、甘く切ない女心が歌われます。シャンソンや映画で聴くフランス語は素敵だなあと思うのですが、フランス語ってどうも苦手です。発音むつかしそう…。「抱擁」切ない女心の歌ですね。香りという嗅覚的な歌詞がとても印象的な歌でした。日本の曲から「歌うだけ」。悲しい時は歌うだけ、歌うと歌うと…。武満さんの曲と谷川さんの詩は、とてもシンプルだけど深いなあといつも思います。歌う事のできる方達は、悲しみを風船のように膨らませて、どこか遠くへ飛ばせてしまえるのでしょうか?うらやましいなあ…。そして「ヨイトマケの唄」子を思う母親の歌う唄がどんな美しい唄よりも世界一美しいと歌い上げます…。アンコールは、歌手の大先輩、美空ひばりの「悲しい酒」、江利チエミの「テネシー・ワルツ」ひとつの時代の大きな星だった名歌手達の歌、今日のライブの場所にぴったりでした。

さまざまな女性像、そしてさまざまな女心、愚かで哀れで狂乱する姿あり…、はたまた
気品高く愛する姿あり、最強の母親の無償の愛…。さまざまな個別の女性像なのか、一人の女性の中に潜むさまざまに変化する女心なのか…?ライブで演じられた各々の歌の中に女性のさまざまな表情が読み取れる様です。心のひだを表現したいという米良さん。これから、ますます楽しみですね。

ところで、考えてみると世の中には「卒塔婆小町」の謡曲のような老女を謡った歌ってほとんどないのですね(爆)。「川の流れのように」くらいなのかなあ。そういえば「夕映えに」「女の愛と生涯」という歌がありましたね。女性の生涯を彩る歌の数々…。3分間のドラマと言われる歌の中に自分の心を重ねてみた時、共感できる歌が鮮烈に心に残るのかもしれません。日頃は、めったにこういう場所に行く事はありませんが
たまに友人達と行くのも楽しいなと思った一日でした。N様お誘いありがとうございました。
by keiyou-ai | 2005-03-26 01:16 | 鑑賞徒然